読みかけの本をもう一度開いたとき、しおりの場所は合っているのに、前回の気分や考えていたことが戻ってこないことがあります。続きを読めば進めるはずなのに、数行読んでも「何に引っかかっていたのか」がぼやける状態です。
そんなときは、本を閉じる前に最後に気づいたことを一言だけ書いたメモを挟んでおきます。ページ位置や次に読む手順を細かく残すのではなく、読み直す入口になる気づきだけを置く方法です。
一言メモは、前回の読み方へ戻る入口にする
読みかけの本へ戻りにくい理由は、場所を忘れたことだけではありません。どの言葉で立ち止まったのか、どんな見方をしていたのかが抜けると、同じページを開いても読み始めの足場が弱くなります。
一言メモの役割は、本の内容を整理することではなく、前回の自分が最後に何へ気づいたかを思い出すことです。書く量は短くてかまいません。
この章は、準備の話というより順番の話だった。
このくらいの一言でも、次に開いたとき「順番に注目して読んでいたのか」と思い出せます。大事なのは、正確な要約ではなく、読み直すときの視点が戻ることです。
書くのは「最後に分かったこと」より「最後に気づいたこと」
メモを書こうとすると、つい「何を学んだか」「何が分かったか」をまとめたくなります。ただ、読みかけの本では、そこまで整った結論が出ていないことも多いものです。
そこで、完成した感想ではなく、最後に少しだけ向きが変わったところを書きます。
- 思っていた話と少し違った点
- 前の章とつながりそうだと感じた点
- 自分の経験に重ねて読んだ点
- まだ分からないけれど気になった点
「分かったこと」を探すと、うまく言えない日に止まりやすくなります。「気づいたこと」なら、途中のままでも残せます。
一言は短い型に入れて作る
毎回きれいな文章を考える必要はありません。次の型のどれかに当てはめると、短く書きやすくなります。
- これは、〇〇の話だった
- 〇〇だと思っていたが、△△にも見える
- ここは、前の〇〇とつながりそう
- まだ分からないが、〇〇が気になる
たとえば、次のように書けます。
これは、集中力の話ではなく、始める前の片付け方の話だった。
まだ分からないが、「余白」という言葉が何度も出てくるのが気になる。
引用を長く写す必要はありません。元の表現を確かめたいときは本へ戻ればよいので、メモには自分が最後に持っていた見方だけを残します。
本にはさんでおく場所は、読み終えたあたりでよい
このメモは、厳密なページ管理のためのものではありません。読み終えたあたりに挟み、次に開いたとき最初に目に入るようにします。
紙の本なら、しおりや小さな紙に一言を書いて挟みます。電子書籍や資料なら、メモ欄や手持ちの記録場所に、本の名前と一言だけ残してもかまいません。特定の教材、アプリ、サービスを使う必要はありません。
置き場所を増やしすぎると、次に読む前にメモを探す時間が生まれます。まずは「本を閉じる直前に、最後の気づきを一言だけ挟む」と決めておくと、使う場面がはっきりします。
再開するときは、一言を読んでから本文へ戻る
次に本を開いたら、本文を読み進める前にメモの一言を読みます。そこで前回の視点を思い出してから、近くの数行へ戻ります。
- 挟んだ一言を読む
- その一言がどの部分から出たのかを軽く見る
- 同じ見方で続きを数行読む
- 必要なら、新しい気づきに書き換える
前回の気づきがもう必要なければ、消してかまいません。まだ気になるなら、そのまま残します。メモを保存し続けることより、再開時に読み方を戻せることを優先します。
書けないときは、無理に感想を作らない
本を閉じるとき、何も浮かばない日もあります。その場合は、無理に気づきを作らなくてかまいません。
「今日は一言なし」として閉じる方法もあります。どうしても何か残したいときは、「まだ判断できない」「流れだけ追っていた」のように、状態をそのまま短く書きます。
この方法は、読書量、理解度、成績、能力の向上を保証するものではありません。読みかけの本へ戻るときに、前回の最後の見方を思い出すための小さな整理方法です。
まとめ
読みかけの本に挟む一言メモは、ページ位置や詳しい要約ではなく、最後に気づいたことを残すためのものです。「これは〇〇の話だった」「まだ分からないが〇〇が気になる」のように、前回の読み方が戻る言葉を短く置きます。
次に本を開いたら、その一言を読んでから本文へ戻ります。続きを急いで読み始める前に、前回の最後の気づきを一つ思い出せると、読みかけの本へ入り直しやすくなります。